毎月サラリーを労働対価としてもらっている方やさらに多くのサラリーが受け取れる仕事を探して比較する際に考える項目として、給料がいくら受け取れるのかは欠かせないところです。
一方で、給料がどのように構成されているか、皆さんはご存じでしょうか。
給与欄には「基本給」や「月給」と記載されていますが、「基本給」と「月給」の違いって、一体何なのでしょうか?
今回は給料のしくみについて説明していきましょう。




「基本給」と「月給」正しい理解を

求人情報の給与欄を見ていると「基本給○万円」や「月給○万円」と記載されているのが見受けられます。
では実際にこの2つは何が違うのでしょうか。

基本給とは

基本給とは「基本賃金」のことで、年齢や学歴、仕事のスキルの他、能力や会社への貢献度、地位などの基準を総合的に判断して算定される給与の事です。
賃金の中の根本的な部分で、通勤手当や残業手当、役職手当、家族手当、インセンティブなどの各種手当ては含みません。
「日給」「週給」「月給」「年俸」などの給与形態でも、基本となる賃金は「基本給」と呼ばれます。

月給とは

月給とは、1ヶ月単位で支払われる賃金のことで、基本給にオプションとなる各種手当を加えたものです。
ただし、すべての手当てが含まれるわけではなく、役職手当や家族手当など毎月固定して支払われる手当が含まれます。
残業代や通勤手当など、金額が変動する手当ては月給に含まれません。

求人情報などを見ると「固定給」という呼び方をしている会社もありますが、固定給とは月単位や時間単位に対して、あらかじめ決まった額を支給する賃金体系のことです。
たとえば固定給+歩合給という場合、決められた固定給に営業成績など業績に応じて手当がプラスされます。
完全歩合給や完全出来高制の給与は固定給は一切なく、業績に応じた分の賃金のみが支払われるシステムです。

また、会社は給与をそのまま全額支払うわけではありません。
受け取れるのは、基準となる基本給に諸手当をプラスして算出した総支給額から所得税、住民税、社会保険料など控除額を差し引いたものです。
これがいわゆる手取り額になり、手取りの目安は給与額の80%といわれています。

具体的に申し上げますと、基本給が18万円だったとして、そこに残業代や手当が含まれると給与は20万円になります。
手取りは20万円の80%と考えますので、およそ16万円となります。
ただしすべての場合で80%になるわけではありません。
給与が60万円を超えた場合は手取り額は給与の75%ほどになり、およそ45万円になります。
これは所得税が累進課税のため給与額に応じて変わるためです。





「基準内賃金」と「基準外賃金」

給与は、性質が違うものを複数組み合わせて構成されています。
それらを分類する考え方の一つが「基準内賃金」と「基準外賃金」です。

基準内賃金
一般的に基本給や毎月固定的に支払われる諸手当(役職手当、職能手当、通勤手当や家族手当など)のことです。

基準外賃金
休日手当や残業手当、時間外労働手当、臨時に支払われた賃金などがあてはまります。





基本給が高いメリットとは

基本給とは給与の根本となるものです。
基本給が高くなることによるメリットをご紹介しましょう。

1.ボーナスの額が上がる

基本給が上がることによるメリットのひとつはボーナスが上がる可能性があることです。
ボーナスとは、毎月定期的に支払われる給与とは別に、夏と冬に支払われることの多い特別な給与のことです。
このボーナスを楽しみに働いている人も多いのではないでしょうか。

多くの会社がボーナスの算定式として「算定基礎額×賞与倍率+調整額」を採用しています。
算定基礎額に賞与倍率をかけて、かつ会社への功労や勤怠の評価を反映したい場合に調整額を加えて加減算します。
算定基礎額=基本給にあたるため、基本給が高いほうが賞与額も上がりやすいと考えられます。

2.退職金の額が上がる可能性がある

退職金制度のある会社では、退職金の算定も多くの会社が基本給をベースに計算します。
会社によって計算方法に違いはありますが、多くの場合、退職時の基本給×勤続年数ごとの係数×退職事由別の支給率で退職金を算出するのです。

3.基本給は減額されにくい

労働契約法に労働条件は契約当事者の合意によるため、その変更も当事者の合意によるものとされています。
したがって一方的な会社の都合で基本給を下げることはできません。
手当は、「支給対象が変わった」「算定方式の変更」といった変更理由をつくりやすいため、基本給よりも簡単に下げることができます。
基本給を低く手当を多くしておいたほうが、賃金の引き下げは行いやすいのです。
反対に基本給は会社の経営が危ぶまれる場合でもなければ下げることは難しいのです。

その他、残業代や休日出勤手当も基本給から計算されるので、基本給が高いことであらゆる手当が上がる影響が及ぼされると言えます。




まとめ

今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

ひとくちに給料と言ってもその内訳は複雑で、今よりもっと良い条件、高い給料で働きたいと考えているのに、基本給が低いとさまざまな労働対価の面でデメリットとなることがあります。
求人情報を探す上で「基本給」の金額が重要なポイントになることがわかっていただけたと思います。

・基本給が高い職場は、一律で給与面での扱いが良い可能性が高い。
・基本給が高いかわりに各種手当てがあまり多くない場合もある。
・月給しか記載されていない場合、実はみなし残業代や各種手当てを含んでの金額であり、基本給はかなり低いかもしれない。

などの判断も可能になります。
給料についてきちんと理解をしたうえで、次の職場選びのヒントのひとつにしてみてください。

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筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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